『誰にも会ってはいけない』(完結)
その夢では、決して誰にも会ってはいけない。
ある日、ふと夜中に目覚めた僕は、部屋の中の違和感に気がついた。
僕の部屋とは違うベッド、僕のものではない布団、僕の部屋にあるはずの無い本棚。
見知らぬ部屋で目覚めた僕に、どこからともなく不思議な声が聞こえて来た。
「灯りをつけるな」
「音をたてるな」
「でないと…… 」
「奴らが来るぞ」
そう告げた不思議な声は
この不気味な夢から抜けるたった一つの方法を告げる。
「条件を守って、家に帰れ」
条件は、そう……
誰にも会ってはいけない
不思議な声とともに、僕は家を目指す。
これは、たった一人の青年が過ごす
不思議な夜の物語。
無事完結いたしました。丁度本一冊くらいの分量。
佐伯や栗橋の冒険を、今一度お楽しみいただけると嬉しいです。